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事例4 医薬卸

本プロジェクトにおける、提案から現在までの軌跡をご紹介します。

ユーザーは、専門性の高い医薬卸として複数のグループ会社で構成された企業体である。
医薬卸業界は、業界の再編激化に伴い企業統廃合が急速に進んでいる。その背景には、大学の統廃合による市場の縮小やメーカーの直販、または将来予想されるネット販売の自由化などがあげられる。以前に比べ顧客の囲い込みが困難となり、利益の確保も難しくなっている。
そのような険しい競争環境の中で、当ユーザーでは積極的なM&Aによる企業拡大を図るとともに確実に収益を確保する経営戦略を打ち出していた。この戦略を実現すべく、情報システムの再構築により、成長を支援し利益を確保するための施策が実施されることとなった。

当社では、ユーザーの現有LANSAシステムの再構築を請け負い、経営戦略実現に向けたシステム化基本方針の策定から携わった。

システムリニューアルの目的

システムリニューアルの目的 【図】●業務の標準化

M&Aによる企業拡大のためには、なによりも業務の標準化が必須条件である。異なる文化やルールで運用してきた相手企業に、自社で培ったプロセスを適用しスムーズな統合を実現しなければならない。また、物流業務や受発注業務、債権債務管理などグループ企業で集中化し共同運営することで、各社の業務を標準化すると共に大幅にコストを削減できる。

今回、情報システムが中核となりグループ会社とコールセンター及び物流センターとの業務連携を行えるシステムを構築する。

●利益管理の強化

医薬業界には多くの製薬メーカーが存在し、外資系企業も多い。各メーカーとの取引条件や価格形態も様々である。また、頻繁なメーカー価格改定により売価の設定ミスが即時赤字販売につながることもある。しかも医薬業界特有のリベート商習慣もあり、これが個別取引の利益把握を困難にするという課題を生んでいる。

そこで、これまでユーザー独自で行ってきたマスタ管理を、業界標準マスタを基準とする方式に変更する。業界標準マスタはメーカーからの価格変更に伴い迅速にマスタデータの提供が行われるため、価格変更漏れなどの事故を極小化できる。
また、リベートについても実取引データに還元し、出来る限り個別取引の利益を可視化できるようにする。

●システム運用効率の向上

これまでは、情報システムそのものは全グループ会社で共通のものを運用していたが、マスタ管理等運用面は各グループ会社の裁量に任されていた。
また、コールセンターや物流センターに必要とされる集中化されたシステムは存在せず、各グループ会社システムを個別に運用していた。

今後は、統一化されたマスタ情報を基準にすることでデータの正確性を高め、各センターにおいてもグループ企業の増大にスムーズに対応できるように集中システムを構築しグループ全体の変革へとつなげる。

プロジェクト概況

2009年初夏にプロジェクトが発足された。

経営方針であるM&Aによる拡大戦略と高利益体質への変革を実現するため、情報システムで取り組む方針を明らかにすることから始めた。経営が求める姿と現実とのギャップをいかにして埋めるか、また成長戦略を支える仕組みとはどのようなものか、これは大変な難題ではあったものの時間をかけて協議を進めて行った。各現場を訪問し、主要な幹部にはセッションにも参加いただき、その結果多くの情報を得た。そこからプロジェクトメンバーにて最適と考えられるシステム要件を確立した。

将来を見据え、経営視点で企業全体を見渡し、かつ今起きている課題も解決するという大きなステップアップを目標としている。